遺産分割とは、亡くなった人(被相続人)が残した財産(遺産)を、相続人が法律に基づいて分け合う手続きのことです。この手続きには、専門的な用語がいくつか登場します。
基本的な用語
| 用語 | よみ | 説明 |
| 被相続人 | ひそうぞくにん | 亡くなって財産を残した人。 |
| 相続人 | そうぞくにん | 被相続人の財産を受け継ぐ権利がある人。 |
| 法定相続人 | ほうていそうぞくにん | 法律(民法)で定められた相続人のこと。配偶者は常に相続人となり、それ以外は子、親、兄弟姉妹の順で優先順位が決まります。 |
| 相続財産(遺産) | そうぞくざいさん(いさん) | 被相続人が残したプラスの財産(不動産、預貯金、有価証券など)とマイナスの財産(借金など)のすべて。 |
| 法定相続分 | ほうていそうぞくぶん | 法律で定められた各相続人が受け取れる遺産の割合。 |
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手続きに関する用語
| 用語 | よみ | 説明 |
| 遺言書 | ゆいごんしょ・いごんしょ | 被相続人が生前に、財産の分け方などについて意思表示をした書面。遺言書がある場合は、原則としてその内容が優先されます。 |
| 遺産分割協議 | いさんぶんかつきょうぎ | 相続人全員で、遺産の分け方を話し合うこと。この話し合いで合意した内容をまとめたものが「遺産分割協議書」です。 |
| 遺産分割協議書 | いさんぶんかつきょうぎしょ | 遺産分割協議で合意した内容を記載し、相続人全員が署名・押印した書類。不動産の名義変更や預貯金の解約手続きに必要となります。 |
| 遺産分割調停 | いさんぶんかつちょうてい | 相続人間の話し合いで合意できない場合に、家庭裁判所で調停委員を交えて話し合い、解決を目指す手続き。 |
| 遺産分割審判 | いさんぶんかつしんぱん | 調停でも合意に至らない場合に、裁判官(審判官)が一切の事情を考慮して、遺産の分割方法を決定する手続き。 |
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権利に関する用語
| 用語 | よみ | 説明 |
| 遺留分 | いりゅうぶん | 兄弟姉妹以外の法定相続人に保障されている、最低限の遺産取得割合のこと。遺言書によって自分の遺留分が侵害された場合、「遺留分侵害額請求」を行うことができます。 |
| 特別受益 | とくべつじゅえき | 一部の相続人が、被相続人から生前に受けた贈与(結婚資金、住宅資金、事業資金など)のこと。遺産分割では、この贈与額を遺産に加算して相続分を計算します。 |
| 寄与分 | きよぶん | 被相続人の財産の維持または増加に特別な貢献をした相続人が、その貢献度に応じて法定相続分に上乗せして取得できる財産のこと。 |
| 相続放棄 | そうぞくほうき | 相続人が、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないこと。家庭裁判所への申述が必要です。 |
| 限定承認 | げんていしょうにん | 相続したプラスの財産の範囲内で、マイナスの財産を弁済すること。相続財産全体が債務超過の可能性がある場合に利用されます。 |
